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執筆者の写真Tomohiro Ozawa

視力がよくても見え方に不満感を感じる理由・見え方の質の問題

更新日:2020年7月4日

視力が良くても見え方に不満感や困り感を感じると言うケースがあります。


ご本人が見づらさを感じていながら「視力は良いので問題はありません」など言われてしまう、また度数を強くしてしまったら見え方は何となく改善したが逆に疲れるなど・・・


これらの多くは視力という簡単な評価で下すことの出来ない眼の光学的性能による「見え方の質」が影響をしている場合があります。



眼の光学性能による「見え方の質」とは何であるのか?


視力は朝から晩まで常に一定であるように思われるかもしれませんが、その場面の光の環境、視るモノのコントラストによって変化をします。


「視力」は常に一定であるわけではありません。


実生活における見る環境は絶え間なく変化をしており、特に明るい暗いという光のコンディションは見え方に大きな影響を与えます。


一般的な視力の検査では一定の明るさの中で、且つ、コントラストのハッキリした視力表を見るという環境条件が安定をしている場面での数値でしかありません。


人間の眼は光の明暗差で散瞳・縮瞳を行なうことにより眼の光学的な性能が変化してしまうことがあります。


これは各個人の眼の光学性能に起因しており、これらは通常の測定での視力という数値では表すことの出来ない「見え方の質」つながります。


この「見え方の質」も考慮することで視力1.0を形成していても、光の明暗差が生じても問題なく視力1.0を維持できるのか?もしくは明暗差の影響を受けると滲み感や鮮明感が低下して視力や度数が変化してしまうのか?で見え方の不満感や困り感が変わってきます。


後者の光の明暗差や環境によって視力が大きく変わりやすいタイプの方は、その変化量の大小によって「環境が変わると見づらくなる」「暗くなると途端に見づらさが増す」という不満感につながります。

(*瞳孔径により度数そのものが変わってしまう・眼内の収差に伴い、光の滲み感が出たり、コントラスト感度が下がってしまうことで見づらさを感じてしまいます。これらは通常の視力を基本にした検査だけでは評価できません。)


今までは定量的にこれらを短時間で評価することが出来なかったのですが、波面収差測定を利用した角膜形状・屈折解析装置を使うことで、その方の持つ眼の光学的性能が分かることにより「見え方の質」を短時間で評価することが出来ます。


こういった眼の光学的機能による見え方の低下は、機能性レンズを使用すると改善・緩和していきます。(被写界深度延長レンズ・Buiレンズ・各社コントラストを高める機能レンズなどをその方に合わせた組み合わせてインストールしていきます)


但し、あまりにも数値が低下をしている場合は眼病の疑いがありますので眼科受診をお薦めさせて頂きます。



また眼の光学的性能の問題だけではなく、両眼視機能・視機能不良による見え方の低下といのもあるので光学的性能ばかりが原因ということもありませんが、「見え方の不満感」がどういった問題で起因しているのか?を多角的に評価していく上で非常に有用なデータとなり、見え方の困り感にアプローチしていくことが出来ます。



最後に「見え方の質」と「視力が良いこと」はイコール(=)ではありませんので、「より遠くをハッキリと見たい」ということだけを求めすぎることも問題が多くなります。


当店ではそういった「遠方のみが必要以上にハッキリ見えるようにしたメガネ」はあまりオススメをしておりません。総合的に「負担なく楽に見える」ことを念頭にしておりますので御理解頂きますようにお願い申し上げます。



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