top of page

近くが見えづらかったのは「近視の過矯正メガネ」と「上下斜位」が原因!過矯正で見えづらいメガネを作らないための方法

執筆者の写真: Tomohiro OzawaTomohiro Ozawa

更新日:3月1日

先日「読書や趣味の裁縫教室などで今使っているメガネだと見づらくて困っている・・・」と言うご相談を受けました。


詳しくお話を聞くと・・・


特に読書をしている時にも読んでいるピントが合わなくなったり読んでいる行を見失ったり、趣味の裁縫教室ではミシンなどを使っていると縫っている場所が段々とボケてきて途中で見失ってしまうことがあり先生からも注意を受けることがあるという事でした。


自分では、頑張って見ているつもりでもどうにもならないし、また、何処に行っても「視力は出ているので問題ありません」「度数は合っているので大丈夫です」という事しか言われなく困っていたそうです。


 

近くが見えづらかった原因は現在のメガネ度数にあった・・・

 

実際に当店で測定をして主な原因が2つあることが分かりました。


①近視の過矯正(強すぎる近視度数)

現在のメガネは右眼が2段階ほどの近視度数が過矯正状態になっていました。特に近視が強すぎると近くを見る際にピント調節に負担が掛かり長時間近くを見ているとピントがボケてしまう状態でした。



②上下斜位が邪魔をして眼球運動を上手に行えていない

「斜位」と呼ばれる視線ズレに上下方向の「上下斜位」があり、特に近方視する際に両眼の視線を揃えて持続的に見ることが困難になっていました。



原因が分かれば対処が出来ますので1つ1つ紐解いていく中で下記の対応が一番しっくりくるという事で


右眼の度数を2段階ほど近視度数を弱めて、上下斜位をプリズム度数を使って補正するメガネをお作り致しました。


近くが見づらさを改善するメガネ
mamuseの新型フレームに近視の過矯正・プリズムレンズを使用して改善をしました

後日、メンテンスにお越しになられた際にも嘘のように近くが見やすくなり、見失うようなことも無くなり先生にも注意されなくなったこと、読書もとても楽に見えるようになったとご報告を頂きました。


大変喜んで頂けており、コチラもとても嬉しく思います。


では、上記の様な見え方で困らないようにメガネを作るためにはどうしたらよいのか?


を下記に少し書いておきます。


 

(過矯正メガネを防ぐにはどうしたらよいのか?)

 

基本的には視力測定をされる方が「どの様に測定を行ってくれるか?」によって変わってきますので、しっかり測定をしてくれる方にお願いすることが大切です。


当店では、過矯正にならないように下記の2つの条件に主に力をいれています。


①視力表を5mの距離を確保することで「調節機能」の介入を極力減らす測定環境を整えて測定を行っています。

眼の「ピント調節」は無意識で反応をしていますので、可能な限り遠い距離を確保してピント調節が起こらないように環境を整えることが大切です。特に実際に測定を行うための視力表は実際の距離で5m以上を確保することが大切です。

(1m程度で測定するテレビ型の視力表は、仮に画面内で5mを疑似的に作り出しても調節の介入が起こりやすいので気を付けましょう)


②調節機能の介入が起こらないように十分に「雲霧法」を行い調節機能の緊張を解く作業を必ず行う

プラスの度数を加えることで、遠方の見え方をボカスことで強制的に眼のピント調節機能を緩める方法「雲霧法」を行います。ピント調節機能を十分に緩めた状況から徐々に度数を強くしていき慎重に測定をしていきます。先ほど述べたようにオートレフで測定された強い近視度数をいきなり入れてしまうとピント調節機能が働いてしまい過矯正になりやすくなりますので必ずこの様なステップを踏みます。


先日、来られた別のお客様(過矯正メガネを使用していた)も「昔みたいにボカす作業(雲霧法)を行ってくれるんですね・・・」とおっしゃておられましたので最近では行われないことが多いようですが・・・最近はスマホなどの普及で近くを見ることが多くなり年代問わずに「調節機能の働きが鈍い方」が多くなっていきていますので、本当は「雲霧法」の重要性は高まってきています。



多くのケースで「オートレフ」と呼ばれる機械で測定された度数をそのままテストフレームにいれてササっと遠方視力が1.0や1.5など見えていればOKという測定される所は避けましょう。


 

上下斜位のような「斜位」測定するにはどうしたらよいか?

 

まず「斜位」を測定する際には「両眼視機能検査」を測定を出来る所を探すことが大切です。両眼視機能にもドイツ式・米国式とありますが、どちらが優れているというのはありませんが両方に精通をしているとより詳しく測定してくれると思います。


当店ではドイツ式・米国式両方を行いますが、斜位の測定ではドイツ式両眼視機能検査「ポラテスト法」を主に行います。(米国式に関しては見る機能の分析に使用します)


ここで気を付けて欲しいのは、斜位の測定に関しても米国式・ドイツ式ポラテスト法ともに「視力表が5mの距離を確保出来ている」ことがとても大切になります。


コチラもボックス型テレビ画面のような視力表では正確に測定することが出来ず、大きな誤差が生じやすくなります。特に斜位補正を行う「プリズム度数」は慎重に決めないと逆に調子が悪くなるケースがあります。


視力表もドイツ式ポラテストを行うのであれば基準に沿った視力表を使う必要があります。(ドイツ式両眼視機能検査を記載されているのであれば、基準に対応した視力表を使用していることを確認することも大切です。)


下記はドイツ式ポラテストで使われる視力表を一部抜粋したものです。参考になればと思います。


十字テスト
十字テスト
時計第2テスト
時計第2テスト
コの字テスト
コの字テスト

上記の様な視力表をドイツ式ポラテスト法ではいくつか使い測定を行います。


「斜位」に関しては、遠くと近くで変わってきますので両方を必ず測定してもらってください。


当店では、下記の近方ポラテスト視力表マドックス法を使用することで近方斜位も測定をしていきます。また近方度数測定においては+αで米国式両眼視機能測定で輻輳・開散・上下開散で眼球運動筋の補正できる力も測定します。


近方用ポラテスト視標
近方用ポラテスト視標



(過矯正メガネ防止や斜位補正をされたメガネを作るための まとめ)


・視力表の距離が5m以上を確保されている所がよい


・「雲霧法」と呼ばれるピント調節機能を緩める方法を行ってくれることを確認する


・両眼視機能測定を行ってくれる所


見え方の不調を抱えている方や、いつも何かしっくり見え方が定まらない方などは、最低限、上記の基準を満たしてくれる所でメガネをお作りして頂くことが良いと思われます。


また、個々のご使用されるシーン別にも「どんなレンズがよいか?」などを細かくコンサルティングしてくれるか?も大切になります。


こういった基準を持つだけでも今までと違ったメガネを作って貰えると思いますので参考にして頂ければと思います。





当店では、最新の測定解析装置を使い、通常の測定では分からない見づらさの原因なども探り、尚且つ、ドイツ式・米国式と両方の「両眼視機能検査」で見る機能を詳細に測定をしていきます。何処に行っても原因が分からない見え方でお困りの方は是非ご相談いただければと思います。またより正確なメガネをお作りしたいとご希望の方もご相談ください。


このような情報が、少しでも皆様のお力添えになれば幸いです。


〜ご来店予約について〜

【電話予約】 営業日の 10:00〜18:00 の時間でお受けしております。 検眼中などは電話に出られないこともございますのでご了承下さいませ。 ご来店希望日の当日または前日にご連絡いただく場合は必ず【電話予約】でお願いいたします。

メガネの尾沢Tel : 0531 - 22 - 0358


「夜間の見え方を完全再現する特別測定」をご希望の方へ

夜間の見づらさに困られていらっしゃる方で、完全暗室でより正確に測定をご希望の方は時間外営業時間の「19:00~21:00」の時間帯での特別測定も承ります。お日にちでご希望に添えないことなどありますので必ず事前の予約をお願い致します。

また時間外測定料金として眼鏡作製時でも¥3300-を別途頂きますのでご理解お願い申し上げます。

 

【メール予約】 メールでのご予約は当ホームページ内にある「お問い合わせ」フォームからお受けしております。必要事項を入力していただいて送信してください。 送っていただいたメールの確認ができましたら返信させていただきます。 眼鏡ご購入のご相談の際に視力検査をご希望される場合は明記していただけると幸いです。


 

 

メガネの尾沢(尾沢視覚研究センター)

 

住所:愛知県田原市田原町新町48-2 

Tel : 0531 - 22 - 0358

 営業時間:9:00~ 19:00

定休日:火曜日/第4日曜日


Comments


bottom of page